ブランド名とロゴについて

 いきものや とは 哺乳類であれ、昆虫であれ、鳥であれ、それを観察している人達の総称です。その人たちの多くは生き物の生死や生き様を観察し、人間にも当てはめてることか多くいます。「人も含む全ての生き物は地球に野生に生きているということから逃れることはできない。」と感じている方が多いのです。僕も例外ではありません。


 世の中では自然と人工という言葉が相対して同等のものとして扱われているかもしれないですが、それは事実とは思えないです。人工的な新しいものとは、自然界にあるものの新たな利用の仕方の発見でしかなく、人工は大きな自然の一部にしかなりえないのです。


 しかし、人工的な都会に生きていますと、スーパーには自分が他人に殺させた肉が並び、その肉の元の姿は草を食べて生きていたことを感じることなく生活できてしまいます。植物の成長には太陽の恵みと水と土の養分が必要です。その土の養分も他の生き物が微生物などによって分解され、循環したものです。もっと言えば、車を、動かしている石油や石炭は5億年前の石炭期に生えていた植物の成れの果てです。そして、生き物はそのエネルギーより多くは生きていられません。水、気温、太陽、によって決められた面積あたりに生きることのできる生き物は決められていて、それを分けあって生きているという単純なことを感じられなくなってしまいました。その感覚を感じないで生きていけるようになってしまった人類が、感覚がないために気にしないで行う日常が気候変動などの人類の存続に関わる問題を引き起こすように感じます。


 ユキヒョウを追いかけていたとき、マイナス30℃の乾燥した荒野でアジアノロバを見ました。アジアノロバの英語での種名はWild Ass つまり ワイルド アスです。家畜かしたウマやウシの元となる種は絶滅しています。あえて野生動物にワイルド、つまり野生という言葉をつけるのは、人間に利用された家畜や愛玩動物がいるからです。ロバに対して、野生のロバです。家畜化されていないライオンは野生動物なのが当たり前ですから、あえて野生ライオンとはいいません。人間が住むのにも厳しい環境ですから、人にとって有用でもまだ野生で生き残ることができているワイルド アスです。そんなアジアノロバの姿と 人、つまり我々(Us)も野生を忘れずに生きる ことを願い Wild Us というブランド名ができました。


 シャツやトートバッグを販売していますが、それを通じて、世界中の いきもの に関心をもってほしいと思っています。世界の魅力的な生き物を かわいい、とか カッコ良い、ブサイク、だけでなく、それぞれの生き物の野生での生き方に関心をもってほしいと思ってます。たくさん買うのではなく、一枚を長く使ってほしいと思っています。そのため厚い生地で用意しました。よろしくお願いします。


野生動物写真家 秋山知伸